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メビウス86Mと16カラマレッティー86Mを比較

やっとこさ釣友のメビウス86Mを振る機会があり軽いインプレッションが書けるようになったので同クラスの16カラマレッティー86Mとの比較もしながらスペックや使用感を書いてみたいと思います。

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ここの所検索ランクの上位は16カラマとメビウスのツートップ状態になっていまして如何にこの2本で購入を迷っている人が多いかが伺い知れますね。と言うことでまずはメビウスと16カラマレッティのスペック比較から始めてみたいと思います。

スペック比較

ヤマガブランクス メビウス86M
Length:2595mm
Weight:98g
Section:2pcs
Lure:2.5~4号
Line:PE0.5~1号
Carbon:96.6%
ジョイント : 逆並継 
ガイド:SicステンフレームKWフットガイド(PKW)
リールシート:VSS(無塗装)
グリップ:オリジナル形状EVA
発売:2018年

16カラマレッティー86M

全長:2.59m
パワー:Medium
アクション:Regular-Fast
標準自重:92g
仕舞寸法:132.5cm
先径:1.7mm
継数:2本
エギ:2.5-4号
PEライン:0.4-1.0号
Carbon(%): 99.9
ジョイント:印籠継
ガイド
トップ:Sic-sリングチタンフレーム(T-LGST)
ベリー:トルザイトリングチタンフレームK
バッド:SicリングチタンフレームKL
リールシート:VSS(ブラック塗装)
グリップ:オリジナル形状EVA
発売日:2016

メーカースペック表に表記の無い部分はメーカーHPに記載されている情報を記載しています。

こうやって見るとスペック上は16カラマレッティーの方が同価格帯(少し安い?)の割りに軽いが高価なチタンガイドや最新の軽く薄いトルザイトリング、ブラック塗装のVSSリールシートを使用していてお買い得感がありますね。
チタンガイドのお陰かエギングロッドで重要視される自重も16カラマレッティーの方が6gも軽いですし。
ブランク以外のコスメの部分は間違いなくメビウスよりも16カラマレッティーの方がコストはかかっている様子。


一例にブランク以外でロッドの性能(味付け)に一番響いてくるガイドの価格を調べてみると。

トップガイド
16カラマ・・・・T-LGST 1250円
メビウス ・・・・PLGST 550円
ガイド全部で
16カラマ・・・・ガイド9個 7500円
メビウス・・・・ガイド10個 6350円(仮)

オリムピック(グラファイトリーダー)はロッドのパーツ表を公開していて調べれば使われているガイドやリールシートの価格や重量を知ることが出来ますが残年ながらヤマガは公開してない様子。
ノギスでガイドの寸法を計って富士のHPで照らし合わせればつきとめる事が出来ますが友人のロッドと言う事もあるし面倒なのでパス。
多少のサイズ違いでも価格の差が50円前後とそう違いが無いので16カラマと同寸法品のステン仕様ガイドと比較することにします。

とまぁ上記の通りおおよその値段ですがメビウスの方(86Mの場合)がガイドが1個多い事もありそれほどガイドにかかっている金額に違いはないよう。
チタンとステンレスの素材の違いでそこまで価格の差は無いみたいですね。
トルザイトリングとSicリングの価格差もF型トルザイトリングとJ型Sicリングでは50円程度の違いしかないようですし。
(最新のチタンKGトップガイドのF型トルザイトリング仕様は同じチタンKGトップのSicと比べると700円もの違いがあるのですがこの2機種には使われてないので)

あと比較出来る所となるとVSSリールシートの違いですが両ロッド共に同じVSSシリーズでフードは恐らくオリジナルなので単純に価格の違いを出すのは難しいですが仮に既製品で比較してみると

ブラック塗装VSSフード付き(B VSS)・・3400円
艶消しブラック塗装フード付き(SB VSS) 3400円
無塗装 ナットのみ    (VSS)・・・ 800円

16カラマ B VSS  3400円
メビウス SB VSS 3400円?
      VSS  800円

メビウスがどちらを使っているのかがわからないですが色味と質感からして恐らく無塗装のVSSにオリジナルフードですね。
16カラマもフードがオリジナルなので既製品のB VSSではないでしょうから単純に価格は出せませんが塗装品と無塗装のリールシートの価格差は間違いなくありそう。
単純にここでも16カラマの方がコストはかかっていそうです。

やはりガイドやリールシート、コスメ等は16カラマレッティーの方がお金がかかっていて高性能で上質なのは間違いないですね・・・ですが

ロッドの性能の大部分を決めるのはブランク!

ガイドやコスメにお金をかけていないと言うことはその分ブランクの製作に費用を費やしているとも言える訳です!

もともとヤマガはしなやかで粘りのあるブランクに定評があり過度な装飾は施さないロッド作りをしているメーカーですしガイド選定も同シリーズでもモデルによってKとKLを使い分けたりと単純に見た目の目新しさだけの訴求力でガイドを選ぶような事はしない実釣主義ともとれる会社。

一方のグラファイトリーダーは高弾性カーボンシートを強度を保ちつつも薄めに巻き上げた軽くパリッとしたブランクが特徴でコンピューターシュミレートにより最適化された様々な巻き方に伴った美しい見た目に最新のガイド、リールシート等をスタンダードモデルから積極的に採り入れるメーカー。

そもそもロッド作りにおけるスタンスが違うから同価格帯で比べるとグラファイトリーダーの方がガイドやコスメが軽い上質な物になるのは仕方がない訳

ではブランクの比較は?と言うと・・・

パーツ等と違いブランクに使われているカーボンシートの種類はメーカーのみぞ知ると言った所で別段表記されている様な事がない限り知りようがないので素人が素材の比較をするのは難しいですね。
ロッドを使用せずに比較出来る所と言ったら外観の仕上げやカタログからわかるパワー、テーパーデザイン位でこればっかしは実際使用してみないと比較しようがない。

と言うことでここからがやっとこさロッドを実際に使ってみてのインプレ!
16カラマとメビウスを持って時期が遅いながらもシャクって来たので使用感も含めたインプレを。

16カラマレッティー862M

外観

メビウス86Mの逆並継に比べ印籠継の為ロッド元径は太いがカーボンシートを薄く巻き上げ作られたブランクはテーピングの跡を研磨せずに残したアンサンドフィニッシュで恐らく薄いコーティングはされているものの殆どブランク剥き出しとも言える軽さ、感度重視仕様。

感度

塗装や厚いコーティングがされていない分ブランクの性能を直に引き出している様でメビウスのみならず同価格帯の中ではシャキッとしたシャープでダルさを感じ無いロッドに仕上がっていて86Mと言うレングス、パワーにかかわらず使用下限の2.5号エギのテンションフォールでの着底やアカイカやヒイカ等小型のイカのアタリも明確に伝える感度を持つ。

操作性、キャストフィール

レギュラーファストだが若干ファスト寄りに設計されたテーパーアクションはメインに想定された3.5号のエギのみならず4.0号のエギでもしっかりとベリーが仕事をし、ジャークの力をエギに伝えキビキビと動かす事が可能。
スラックジャークよりも戻りの早いティップを活かしたクイックな多段シャクリが得意。
キャストフィールはノーマル3.5号が一番快適でしっかりと胴まで曲げブランクの反発力を活かしキャストすれば飛距離が伸びるがベリーにはトルザイトリングを搭載し同サイズのSicよりも内径が広くなっているものの全体的のに軽量化の為か小さなガイドサイズを使っているのでコーティングが厚い0.8号のPEでは糸通りが悪く飛距離が若干落ちる感じで使用するなら0.6号がベスト。

自重、ロッドバランス

92gと8.6ftにしてはかなり軽量に仕上がっていてメビウス86Mより6g軽量。
若干先重り気味だがそれは他の同価格帯のロッドも含めバランサーがついていないエギングロッドなら仕方ない事でむしろ同価格帯(メビウス、エメラルダス)と比べるとブランクが軽い分バランスは良好。
あわせるリールサイズは当然ダイワなら2500かLT2500、シマノは2500~c3000だがバランスをとるために重いリールをつけても意味は無い。
軽量スプールを使用したフロントヘビーじゃない軽量リールで充分快適なシャクリが出来る。
どのジャンルのロッドにも言えることですがどうしてもティップ側を軽くしたいのならやはりグリップエンドにバランサーウェイトを追加するのが確実。
(私はバスやハードロックフィッシュでのテキサス等のボトム狙い以外必要性を感じませんが)

メビウス86M

外観

しっかりとしたコーティングを施されたブランクは如何にも丈夫そうでキズにも強そう。
継ぎは逆並継でバッド径は16カラマと比べると若干細め。
何故かWフットのKガイド仕様。

感度

こちらも16カラマ同様使用エギの下限が2.5号になっているが正直テンションフォールでの着低はわかりにくく3号位の重さが無いと厳しいかも。
全体によく曲がるブランクで16カラマのレギュラーファーストよりも若干レギュラー寄りのテーパーデザインも手伝い感度も若干鈍い感じ。
シーバスで使ってみた時のセイゴバイトの感じ方での比較でも乾いた様な響き方の16カラマに対して少し鈍い感触のバイトの伝わり方でこの価格帯のエギングロッドとしては特出して良いとは感じない。

操作性、キャストフィール

16カラマよりも若干レギュラー寄りのテーパーの為ストロークのゆったりしたジャークのが得意。
Dタイプの3.5号~4号のエギをビシバシシャクるとなるとテーパーデザインのせいで柔らかく感じられてしまいパツパツ系のロッドのMパワーロッドに慣れている人には違和感があるかもしれません。
ビシバシシャクるロッドと言うよりしなやかにロッドをしらなせ反発力で大きくジャークさせる方が向いているかな。
テーパーデザインだけにティップの収縮も高弾性のファーストテーパーのロッドに比べて早くは無いのでシャッキっとしたロッドを想像していると肩透かしを喰らうと思いますがこれはこれで無駄に力まず長時間シャクる事が出来てメーカーが言うように疲れないロッドに仕上げていると言う事でしょう。
無駄に力強くシャクってすぐに疲れてしまう初心者やレギュラーテーパー寄りのよく曲がるロッドが好きな人にはオススメかもしれません。
飛距離に関してはよりレギュラー寄りのレギュラーファストだけあって少ない力でも曲げやすく初心者でも安定して飛距離を稼げる様になっていて飛行姿勢の安定しにくいエギでも気にならない程。
糸通りも悪く無く0.8号のコーティング系のPEでも気にせず使えるからウルトラライトショアジギ等他の釣りに対しても汎用性は高いかもしれない。

ロッドバランス

WフットのステンKガイドを使用しているにも関わらず98gと16カラマに比べると若干重く感じるが今時のこの価格帯のロッドでは平均的な重さで十分に軽量。
先重り感も16カラマよりも若干感じられるがこれはゆっくりとしたジャークをこなすのには調度良いセッティングで力まずシャクるには好感触。
リールはフロントヘビーじゃないスプールの軽い機種の2500~c3000番が良いと思うがわざわざグリップエンドにバランサーをつけてまでバランスをとる類いのロッドでは無いかと。


とりあえずざっと使用してみての使用感はこんな感じですね。
メビウスは短時間使用だし結局アオリをかける事が出来なかったので参考程度にしかなら無いかもしれませんが。
その代わりセイゴとヒラセイゴは飽きるほど釣ったのでそこのところは参考になると思います。
まぁサイズがサイズだけあってティップが入りにくいから散々はじいた訳ですがw


で、結局この2本のロッド。
どっちがオススメなの!?と問われると・・・


うーん、どちらのロッドも性格が違うので迷う所ですが個人的に純粋にエギングロッドとしては16カラマレッティーの方をオススメしますね。

高感度なシャープなブランクとティップの戻りの速さ、多彩なシャクリへ適応するテーパーデザインとロッドバランスはダルく重い入門クラスのロッドからの乗り換えやエギングを始めたものの着低やアタリが分からず長い期間アオリが釣れないと言った初心者の人に絶好の選択だと思います。

やはりエギングはフォールのアタリをとれないと釣果は延びないですし最初は1本で色々なシャクリ方を試せるロッドの方が楽しいですしね。

ただ、インプレでも述べたようにブランクもコーティングも薄い為雑な扱いには注意が必要かもしれません。
勿論私自身地磯でラフな使い方をしてますしキロアップのアオリのみならず70㎝ちょいのシーバスや45程度のスモールマウスを釣ったりと実釣には問題ない強さがありますがコーティングの薄さが怖いと言う人は16カラマのカラーリング、コーティング、ガイド変更機種の17カラマレッティーロッソや18カラマレッティーIP-Sを選ぶと言うのも良いかもしれません。
ブランクは同じでリールシートフードやコーティング、ガイドの違いでロッド自重に違いが出ているのが面白いのでその辺興味がある人は覗いてみてください。

勿論メビウスも国産でこの価格帯では良く仕上げられているロッドですが高弾性のシャキッとしたエギングロッドに慣れているエギンガーからしたらパワー表記の割りにしなやか過ぎに感じてしまい好き嫌いが別れる感じ。
逆にそう言う先入観の無い初心者やしなやかな味付けが好きな人には本当に楽なシャクリが出来る楽なロッドに仕上がっていて買いかもしれません。

が、私個人としては所々ブルーカレントシリーズ(スタンダードの方)の様な匂いを感じるロッドでこの86Mは純粋なエギングロッドとしてみるよりエギング、タチウオワイド、シーバス、ハードロックフィッシュ(ライトウェイトのリグ)と言った何でもこなせるマルチロッドと言った印象を受けるんですよね。(悪く言えば中途半端ですが私はこう言うロッド大好きですw友人もシーバスからハタまで狙うように買ったので)
カーボン素材を如何にしてガイドセッティング等で上質にまとめ上げるか・・・あえて使われているステンWフットKガイドとかなかなか興味のあるロッドではありますね。
それにこれだけチタンに比べて重いステンガイドしかもWフットを使っているのに98gと言う軽さのブランクに仕上がっているのも興味深い・・・

また友人がロッドを使い込んでから耐久性やらその辺を込みでインプレあげてみたいと思います。